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zoom RSS 近鉄特急 京都8:30発 近鉄奈良行き 乗車記

<<   作成日時 : 2018/05/17 22:37   >>

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 近鉄特急は、基本的に列車の愛称がない。今や一躍人気となった「しまかぜ」、70周年を迎えた名阪特急で活躍する「アーバンライナー」、最近では南大阪線に誕生した一般車両を改造した「青の交響曲(青のシンフォニー)」、これらは列車ではなく車両の愛称である。そのため、列車番号はあれどどこから乗ろうが、何時に乗ろうがそれは近鉄特急なのである。
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 だからといって、ホームに列車が入ってくるまで何の車両が乗れるか分からない。ということはもちろん、ない。時刻表を覗けば、先ほどの車両を愛称を持つ車両を始め、2階建て車両「ビスタカー」なども、その「マーク」が掲載されているので判別が付く。

 観光客よりも通勤客の顔が多い7:30を過ぎたJR京都駅。しかし、東端の地下通路を渡って八条口出口から出てみると、その顔が観光のそれに変わる。スーツ姿や学生の姿ももちろん多いが在来線と新幹線でこの時間でここまで客層の断層が現れるのも面白い。相変わらず異国からの観光客も多い、そんな八条口の西に向かって歩き2階の南北を渡る自由通路にもう一つの京都駅が現れる。
 地上に0番のりばという変わったJR西日本の在来線がのホームが欠番合わせて34番という大所帯を持ち、3階の11〜14番線が日本の顔とも言えるJR東海が持つ新幹線のホーム。地下には京都市営地下鉄烏丸線が走り、大きく北には、駅ビル、ビックカメラまで内包した京都駅。その巨大な京都駅にありながら、2階の隅にまるで間借りの様にあるのが近鉄の京都駅である。
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 JR京都駅は0番のりばを降りて中央改札を見上げるとシンボリックな京都タワーが嫌でも目に入ってくるが、近鉄駅にはそれもなく目の前には新幹線の改札という、接続駅として何処にでもありそうな何処にでもある大きさの一般的な光景である。先ほど、1階の大きなリュックやスーツケースを持ち歩く観光客と違い、大きくないホーム一杯に通勤客が広がるごくごく平凡な光景である。
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 駅営業所の中に入り、特急券の自動券売機を利用する。最短では8:10発のビスタカーマークの賢島駅行きがあるが、今日は奈良に向うのでその次の8:30発、近鉄奈良行きを選ぶ。510円を投入して出てきた特急券には太陽のようなマークが載っている。これは、「伊勢志摩ライナー」の車両マークである。
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 特急券の見れば、近鉄奈良駅までは30分もかからない行程である。特別料金不要の急行で近鉄奈良駅に迎えば約50分。途中大和西大寺駅、または地下鉄から乗り入れる急行へと乗り換えが必要にはなるが、その時間的優位性は20分程。それに着座指定、アコモデーションを考えると510円という対価はまずまずといったところだろう。
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 デイダイヤに入ると1・2番線は、完全に特急車両専用ホームに変わるが、この時間では通勤ラッシュに対応する為まだ入り交ざっている。その、1番線ホームに姿を現したのが赤色の伊勢志摩ライナー事、23000系。近鉄特急自体が、それまでのオレンジ一色のイメージカラーから脱却したホワイトを基調にゴールドを混ぜたカラーに姿を変える中、今や近鉄特急の顔と書いても相応しい観光特急「しまかぜ」の誕生に合わせる様に、平成25年リニューアルされた時、一つの編成がこの赤色に姿を変えた。
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 先に近鉄奈良駅からこちらにやってきた「伊勢志摩ライナー」は、その愛称に逆らい再び近鉄奈良駅に向う折返し運転である。もともと、「しまかぜ」の誕生前に観光特急としてのステータスを担っていた車両なので、車内設備は3+1席のデラックスシートに、半個室風の座席が並ぶサロンカーも用意してある。しかし、間合い運用のために仕方なくというわけでもなく乗り得くということにもならず、それらの座席を利用するのなら、例え30分をかけない旅情でも、しっかりと、さらに特急券とは別に追加の特別料金を必要とする。もちろん、今回はそこまでかけていられないので、レギュラーシートの普通の座席を利用。
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  車内清掃を終え幾ばくのインターバルの後、車内へ。この時間、奈良へ向う観光客はそう多くないと考えていたが、昨今のインバウンド。乗っている車両は内外の観光客から通勤客、ざっくばらんに出発時には6割以上の乗車率となっていた。
 座席もブルーの濃淡をブロックパターンで合わせた伊勢志摩方面のを思わせる海を表現しているのだが、向う先が海の無い奈良県なのが少しシュールではある。モケットの色以外は、汎用特急のそれと同じで「ゆりかご式リクライニングシート」でもないので普通の乗り心地である。リニューアル工事によりデラックスシートは各席に、一般座席にもフットレストの間にコンセントが用意されている。
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 8:30発の近鉄特急はゆっくりと京都駅を出発する。旅情というにはあまりに少ない乗車時間だが、その中で移動手段としてだけでなく車窓を楽しむとしたら京都駅から進行方向向かって右側(AB席)をお勧めしておきたい。京都、奈良、その間に広がる雄大にして牧歌的に広がる風景を少しは体験できる。

 京都駅を後にする時、さらに真上の高架にある新幹線が新大阪方面に向かって進んでいく。伊勢志摩ライナーはぐっと左カーブで奈良方面に舵を切ると住宅街の町々から、ふっと木造の五重塔が視界に入ってくる。東寺のそれである。建築の高さ制限を厳格に決められている京都であっても、高架のから見下ろして映すものは日本特有の統一感の無い雑多な建築群。その中で、スポットの様に現れる五重塔がまさに日本を、京都を象徴している様で面白い。
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 とはいえ、京都らしさを視界で感じるのはこれぐらいで高架を進んで行く。ちなみに、この京都駅から近鉄奈良駅に向う特急の途中停車駅は、丹波橋駅と、大和西大寺駅の二つだけである。丹波橋駅は京阪電気鉄道と、大和西大寺駅は大阪難波方面、橿原神宮方面との接続駅である。
 高架を一時すっと下がって見えるのは、車両基地。それは近鉄ではなく京都市内地下鉄烏丸線のものである。京都駅から京都市営地下鉄烏丸線を利用すれば竹田駅は終点駅になり、近鉄の京都駅から利用すればここでは竹田駅はただの通過駅となる。近鉄マルーンとは一線を画するステンレスボディに緑の帯をした、一見して地下鉄車両と分かる京都市内地下鉄のそれはこの駅で折り返しで待っている姿を見る事が出来る。
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 ただし、竹田駅を介して京都市内地下鉄と近鉄京都線が交わっているので京都市内地下鉄の車両は地下に籠もってばかりではなく、急行運行時は京都市内地下鉄でありながら奈良まで向かう。逆に、近鉄の京都駅に向かわず近鉄車両が地下に籠もって地下鉄の京都駅を越え京都市内地下鉄烏丸線の北の終点駅である国際会館駅まで向う列車もある。車窓からでは分からない、なんともややこしい運用をしていたりもする。
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 伊勢志摩ライナーは、京阪本線高架を越えて近鉄丹波橋駅に到着する。乗って来る乗客はいれど、さすがに降りて行く乗客はいない。到着前にアナウンスで降車時に特急券を拝見するとの声を聞く。近鉄丹波橋駅までは7分。これで、510円を払ってまで乗るよっぽど急いでいる乗客よりも、不正乗車を訝しむ考えは普通である。格段、気に障るアナウンスでもない。

 近鉄丹波橋駅を出発して再び高架を進むと、近鉄京都線の一つのハイライトでもある澱川橋梁が現れる。淀川の本流の一つである宇治川に渡る巨大なトラス橋である。橋脚のない単純トラス橋としては、日本最長の164.4mを誇る。
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 トラス橋を越えると車窓の風景が開けてくる。視界一杯に広がる田畑に一つ京滋バイパスの高架が縦断している姿は近代的ともいえない、日本という雰囲気を一杯に映していると思える。しかし、それが京都と奈良の観光かと問われれば閉口してしまうが。
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 そんな牧歌的な風景が車窓をしばらく流れる。左手には、京都奈良間の観光路線をこの近鉄京都線に完全に譲ったJR奈良線が走るが、この座席からではわからない。逆に、木津川を越えて車窓に見えてくるのは、JR西日本の学研都市線こと片町線である。遠く大阪京橋駅を結ぶ路線だが、松井山手駅を越えて並行して走っている部分はすでに単線であり、車両こそ東海道本線を始めとする京阪神を結ぶ新型の通勤型電車が使われているが単線でそれらの車両見ると妙な感覚に陥る。JRの路線に挟まれる形で走っている近鉄京都線であるが、分が悪いわけでは全くなく特急車両を走らせている分、こちらが華形に思える。
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 その後も、田畑の風景と住宅街という日本の風景を映しながら、あっという間に大和西大寺駅に到着する。遠くは阪神電気鉄道三宮駅から大阪難波駅、大和八木駅を経て近鉄名古屋、伊勢方面、橿原神宮前駅を経て吉野方面との長大な接続が可能な駅でもあり、駅構内にはタイムズプレイス西大寺というショッピングモールまで構えている。
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 ホーム上の行き交う人の多さはあるが、さすがに乗って来ることはない。ここから奈良線に移り、終点の近鉄奈良駅に向う。駅を出発すると奥に西大寺検車区という車両基地が姿を横目に見ることが出来る。ホームの人の多さもさることながら、車両基地と共に交差する様に4つの複線が敷かれている路線により分岐器の多さも大和西大寺駅の見ものではあるが、車内からではその様子は分かりにくい。
 その代わりにわかりやすいのが、すぐに目につく人工的な野原が入り交ざった空地である。その中央に復元された大極殿が大きく構える。ここだけが、進行方向向かって左側に座っていたほうが体感できるポイントでもある。近鉄京都線において京都を思わせるのが「東寺」だったら、奈良はこの「平城宮跡」である。もちろん、進行方向右側の車窓でも問題はない、こちらはこちらで平城宮跡の復元された「朱雀門」が現れる。
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 大極殿と朱雀門の二つにより、京都から奈良にやってきた事を認識させられると、伊勢志摩ライナーは地下に進み終点の近鉄奈良駅に到着する。時刻は、定刻の9時5分。朝ラッシュも終わってだろうか地下のホームはどこか閑散としていた。
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以上。平成30年4月12日


近鉄プロファイル?近畿日本鉄道全線508.1km?第1章 奈良線?京都線?橿原線 [ (鉄道) ]
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